金時代 額装(51.9×697.7cm(題跋を含む)) 紙本・水墨 武元直は十二世紀の北方王朝・金の人。
蘇東坡の名編「赤壁賦」によせて古来多くの画人が「赤壁舟遊図」を遺していますが、この武元直の図は現存する赤壁図の中で最も古いのみならず、筆頭に推される作品。
屹立する絶壁の鋭い縦の線、それを柔らかく受けとめる河波のゆるやかな曲線、霞の中へ淡く遠ざかってゆく山並み、そして遠景と左右両端の近景が織りなす対象の妙は名状しがたいものがあります。
希少な金時代の絵画の中でも特筆に値する一作で、宋時代から元時代への絵画史の欠如を補う極めて重要な作品です。